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「爆弾の解除方法は」
「……」
「死にたくなかったら早く言えよ」
「わ、分かった…言う、言うから、」
男は怯えた顔でルナを見上げる。更にその後ろでは、颯爽と現れたハルがもう一人の男に拳銃を突きつけていた。
「ゆづ、大丈夫!?」
そして大きな声を出しながら私の横にしゃがみ込んだのはお母さんだ。彼女は私の顔の怪我を見て眉を寄せつつも、脚の縄を解いてくれた。
「麗、手の縄に爆弾が仕掛けてある。139185」
「了解」
お母さんはルナの言葉に頷くと、躊躇することなく縄に触れる。どうやら爆弾の解除番号らしい。
「遅くなってごめんね。私とハルを襲ってきた男達に居場所を吐かせて突き止めたんだけど、道に迷っちゃって。ルナも先に行っちゃうし…」
「……もしかして、あのバイクはお母さんとハル?」
「そうそう。映画で観て一回やってみたかったんだよね。窓からバイクでドカーンって飛び込むやつ。あ、ちなみにここは修道院の廃墟らしいから安心してね」
「……私、その下にいたんだけど」
「大丈夫。スピード出して突っ込めば真下に落下することはないから」
「……」
「はい、取れた」
にっこりと笑ったお母さんは解いた縄を見せてくる。「ありがとう」と頬を引きつらせながらお礼を告げた。
だけどすぐにハッと我に返り、慌てて立ち上がるとルナの元に向かう。男二人はルナとハルの手によって既に拘束されていた。
「ルナ…ルナっ、」
思わず勢い余ってタックルすると、うっ、と呻き声が聞こえた。そういえば鳩尾を殴られていたことを思い出して、しまった、と思ったけれど、既にルナは尻餅をついて座った後だった。
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