sacrifice.01 二度目の未来

5/16
前へ
/92ページ
次へ
「その堀田さんって、なんかヤバイ界隈と繋がってるとか言ってなかったっけ」 「え、そうなの?ヤバイ界隈って何?」 「ヤクザの父親を持つ彼氏がいるとかってクラスメートが噂してたよ」 「えー…どうしよう。ムカつき過ぎて思いっきりぶん殴っちゃったよぉ…」 「まぁ、一発入れておけばしばらくは大人しくなるんじゃないの」 とはいえ、もしその噂が本当だったら危険な気もする。 はて…堀田さんとはどんな女だったか。ぼんやりと考えるけれど、ケバいことしか思い出せなかった。 とりあえず噂が真実かどうかだけ藤花に探っておいてもらおう。 「ねえねえ羽衣ちゃん。今更教室行くのも面倒くさいしこのままサボっちゃわない?」 「別にいいけど、どこで?」 「屋上なんてどう?」 「いや、でも施錠されてるんじゃ」 「ぶっ壊す!」 「止めないけど私を共犯にするのはやめてね」 どこから取り出したのか、世莉はにこにこ笑いながらペンチを持っている。この子のどこがぶりっ子なのか、是非とも世莉をいじめている子達に見せてあげたい。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加