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「ねえねえ羽衣ちゃん聞いてよ」
「んー?」
「ケバブがね、世莉の顔とAV女優の体を合成させた写真をSNSに載せて"二万でどうですか?"ってオッサン達に売ろうとしたの」
「ケバブ?」
「堀田さんのことだよ。ケバい豚でケバブ」
「それはケバブに失礼だよ」
「ちょっ、ケバブに失礼とか…!さすが羽衣ちゃん!超ウケるんだけど!」
バンバンと地面を叩いて爆笑する世莉の横で小さく欠伸をする。そもそも酷い虐めを受けているというのに、普通に笑っていられる世莉の神経はどうかしている。
「ってゆーかさ、二万とか安過ぎじゃない?世莉ほどの可愛さだったら十…いや二十だろ」
「そういう問題じゃないと思う」
「だから超ウザいからケバブの顔の写真と豚の胴体を合成してリアルケバブの画像作ってやろうかなって思ってるんだよね。それを屋上からバラまくのはどうかな?」
「それだけエグい反撃が出来るなら虐めに臆することなく教室で堂々と授業を受けなよ」
「いやだ!今は羽衣ちゃんとラブラブタイムなんだもん!」
屋上にて、二人並んで寝転びながらもいつもの如く授業をサボっていた。
世莉が提供してくれたサボり場は実に快適で、学校に来るといつもここに来てしまっている。藤花に不良だと言われても仕方がないかもしれない。
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