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「ほんとに屋上でサボってんだな」
「そんなことよりこんなとこで何してるの?って言っても、どうせ藤花の入れ知恵だよね」
「あんたと話がしたいっていったら、だったら高校に押し掛ければいいって言われたから」
「それで律儀に制服まで貸してもらったわけ?」
「すげーな。藤花さんってなんでも持ってんだな」
「バレたら不審者だけど」
スラックスに、シャツは腕まくりをしていて、ネクタイをつけている。上手く溶け込んでいる気みたいだけど、この学校に彼のような長身イケメンはいないので、生徒に見られたら速攻バレるだろう。
まるで私と世莉が噂話をしていたことを聞きつけたかのようなタイミングだ。いきなりそこに現れた右京一覇は、興味深げに屋上を見渡した。
「う、羽衣ちゃん!何!?知り合いなの!?ちゃんと紹介して!」
「……この人は右京。で、こっちが世莉」
「はじめまして世莉ですー!右京さん、私と付き合ってください!」
「ごめんタイプじゃない」
「秒殺!」
会って間もないというのにそんな体当たりのような告白をするバカなんて世莉くらいだ。右京は世莉をちらりと見ただけで、すぐに興味なさげに目を逸らした。
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