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「実はこの右京さんっていう人、お父さんが日本代表の選手なんだ」
「え!?そうなの!?」
「彼自身もまたインターハイ常連校のエースとして活躍していてね」
「……おい、美澄、」
「えー!?お兄ちゃんすげー!」
「……」
「どう?お姉ちゃん達とバスケについて語り合わない?」
「いいよ!お姉ちゃんはバスケするの?」
「するするダンクする」
「適当にもほどがあるだろ」
コンビニ袋を漁りながら答えると、隣りで右京が冷静に突っ込む。さっき購入したお菓子を取り出して並べると、男の子は嬉しそうに目を輝かせた。
「えっ、これ食べていいの!?」
「もし毒が入ってるかどうか心配だったらお兄ちゃんが毒味してくれるからね」
「毒味役かよ」
「開けていい!?」
「どーぞどーぞ」
男の子は嬉しそうにポテチの袋を開けて、次から次へと口に放り込む。他にもグミとかチョコとかスナック菓子とか、子供が好きそうなお菓子を沢山買い込んでいた。
「でもあんまり食べ過ぎると晩ご飯が食べられなくなっちゃうよ。お母さんに怒られる」
「そっか。お母さん、怒ったら怖い?」
「怖いよ。めちゃくちゃ怖い」
「そうなの?優しそうなお母さんに見えたけど」
「え?お姉ちゃん、お母さんのこと知ってるの?」
「うん。知ってるよ」
こくりと頷くけれど、男の子はお菓子に夢中なのか、へぇーと適当に相槌を打つだけだ。
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