心、叫ぶ

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今私達がいるこの場所は灰雨のすぐ隣りなので、言わずもがな治安は悪い。一般人は近寄らないせいで廃れに廃れて、今では灰雨に染まる一歩手前だなんて敬遠されている。 「おい。お前雪男の彼女なんだろ。何か知らないのかよ」 ふいに話し掛けられて顔を上げれば、腕を組んでいるボス猿が偉そうに私を見下ろしている。 「彼女じゃないって何回言えば分かるの」 「とか言ってお前いつもあいつといるじゃん」 「一緒にいるだけで彼女って、クソガキみたいな発想だね」 「お前の方がクソガキだろ。俺は15歳。お前は10歳。……あ。そんなお前にちょっかい出してる雪男はロリコンで逮捕されちゃうんじゃねぇの」 「だから雪さんはロリコンじゃないってば。変な言い掛かりやめてよ」 「お前の母ちゃんも股ガバガバだしな。どうせお前もヤりまくりなんだろ」 その言い草にカッと頬が火照り、ただただ睨み付けるしかない。ママのことはここら辺一帯で当然のように知れ渡っているので、反論したところでどうしようもなかった。 「とにかく雪男に言っとけよ。ロリコンは警察に捕まっちゃうんだぞ〜って」 その捨て台詞を残して、ボス猿は子分達を引き連れて去って行った。
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