心、叫ぶ

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「ほんとムカつく。どうして男の子ってあんな気持ち悪い発想しか出来ないんだろう」 腹を立てながら卵をかき混ぜていると、雪さんの手がそれを横から持っていった。 「私は別にいいんだよ。でもママとか雪さんのことを悪く言われたら、こう、イーッてなるの」 フライパンの上に注がれた卵を眺めながら、相変わらず無口な雪さんに向かって一方的に話し掛ける。 「雪さんもムカつくでしょ。ロリコンロリコン言われてさ」 「そう見えるんだったら仕方ないんじゃないの」 「それだよ、それ。ボス猿に足りないのは雪さんみたいな大人の余裕なんだよ」 はぁ、と溜息を吐いて、雪さんの腰にしがみつく。ふと、雪さんの腰の位置が少し高くなった気がした。 「雪さん、また身長伸びた?」 「もうそんな伸びる歳じゃない」 「18歳ってもう伸びないの?」 尋ねる私をスルーして、雪さんは出来上がった玉子焼きをテーブルの上に置く。今日も豪華な食事に感謝して、「いただきます」と手を合わせた。 「ママもこうして雪さんのところに来るの、食費が浮くからって結局何も言わなくなったんだよね」 二年前はあれだけ怒っていたくせに、今ではちっとも食事を用意してくれなくなった。要は食べに行けと言っているのだ。
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