0人が本棚に入れています
本棚に追加
年末デート
大河ドラマ『応仁の乱』が来年から放送される。高山はコンビニの書籍コーナーで、『ザテレビジョン』を読んでいた。
キャスト
1. 足利義政
役割: 室町幕府第8代将軍。応仁の乱の引き金となった人物。
俳優: 菅田将暉
(若いながらも将軍としての重責を背負い、政治と家庭の板挟みに苦しむ姿が描かれる。)
2. 足利義視
役割: 義政の弟。将軍職を巡る争いの中心人物の一人。
俳優: 藤原竜也
(将軍職をめぐる義視の野心と葛藤を描く。)
3. 細川勝元
役割: 東軍の総大将。応仁の乱の主要な武将。
俳優: 大泉洋
(冷静沈着でありながら、権力争いにおいては一歩も引かない姿を演じる。)
4. 山名宗全
役割: 西軍の総大将。細川勝元と対立する有力武将。
俳優: 渡辺謙
(強烈なカリスマ性を持ち、西軍を率いるリーダーとしての圧倒的存在感を見せる。)
5. 日野富子
役割: 足利義政の妻。政治的に影響力を持ち、応仁の乱を左右した人物。
俳優: 長澤まさみ
(美しくも権力への欲望を秘め、夫や政治に強い影響を与える女性を演じる。)
6. 畠山政長
役割: 東軍に加担した武将。
俳優: 高橋一生
(冷静な判断力を持つ。)
京都の年末は冷たい空気と静かな雰囲気に包まれ、古都の風情を一層際立たせていた。冬の夜、大下裕二と浅野薫子は、石畳の道を並んで歩いていた。ふたりは忙しい仕事の合間を縫って、ようやく一緒に過ごすことができたデートを楽しんでいる。
「京都のこの時期は特別だな、空気が澄んでて歴史を感じる」大下がほっと息を吐きながら言った。
「そうね、でも寒いから早くあったかいお店に入ろうか?」薫子が微笑んで答える。彼女の横顔は、冬の寒さにも関わらず温かいものを感じさせる。
彼らは四条大橋を渡り、八坂神社の近くまで歩いていった。辺りは観光客で賑わっているが、どこか神聖な空気が漂っている。灯篭の明かりが揺れ、古びた木々の陰が石畳の道に長く伸びていた。
ふと、薫子が足を止めた。「…何か、妙な感じがしない?」
大下もその瞬間、背筋がぞくりとした。風が突然止み、周囲の音がすべて消えたように感じた。目の前の景色がぼんやりと歪み、霧が立ち込めてくる。京都の古い町並みが、まるで異世界に入り込んだかのように変わっていく。
「薫子、気をつけろ…」大下は身構え、すぐに拳銃を取り出した。
すると、霧の中から不気味な影が現れた。それは、背が異様に高く、全身が長い髪で覆われた妖怪だった。その目は赤く光り、口元には鋭い牙が覗いている。まるで闇そのものが形を取ったかのような存在だ。
「妖怪…まさか、こんなところで?」薫子が驚きの声を上げた。
「京都は妖怪の多い場所だとは聞いてたが、こいつは想像以上だな…!」大下は妖怪に向けて銃を構えた。しかし、妖怪は銃を恐れる素振りも見せず、ゆっくりと彼らに近づいてくる。
「逃げてはダメね、これ、私に任せて」
薫子は冷静に言い、バッグから一冊の古い本を取り出した。彼女の手が素早くページをめくると、口元で小さく呪文を唱え始めた。
すると、彼女の足元から淡い光が立ち上がり、まるで将棋の駒のように、光の陣が地面に描かれた。
「行け、王将!」薫子の声とともに、光の中から現れた巨大な将棋の駒が妖怪に向かって突進した。駒が妖怪にぶつかると、衝撃波が周囲に広がり、妖怪は一瞬ひるんだ。
「さすが薫子、すごいな!」大下は驚きつつも、薫子の魔法に感謝した。
しかし、妖怪は完全には倒れていない。再び姿を現し、今度は大きな口を開けて襲いかかろうとしていた。大下はすかさず銃を撃ち込んだが、妖怪の体は弾丸を通り抜けるかのように何も感じていないようだった。
「ダメだ、物理攻撃は効かない…!」
薫子はさらに呪文を唱え、今度はもっと強力な魔法を発動させた。地面が揺れ、彼女の足元から剣の形をした光が現れた。「これで終わりにするわ!」
その光の剣が空中で妖怪を切り裂くと、妖怪は凄まじい叫び声を上げながら、消え去っていった。霧も徐々に晴れ、元の京都の風景が戻ってきた。
「ふう…なんとか倒せたわね」
薫子が疲れた様子で言った。
大下は彼女に駆け寄り、心配そうに見つめた。
「大丈夫?」
「あなたこそ」
「俺なら平気」
「気になることがあるの。昨夜、高山さんが銃で撃たれて死ぬ夢を見た」
最初のコメントを投稿しよう!