サイコ的ラブゲーム

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俺らが所属しているこの会社は、国際的に活動するボディーガード組織の内の日本支部。 主な仕事内容は、海外からやって来る有名歌手や俳優などの著名人、政府や企業の要人などの警護を行うこと。逆も然り、国内から海外へ向かう依頼主に同行することもある。 ありがたいことに俺を指名してくれるVIPは多いが、数年前までは志季さんも同じくらい顧客がついていた。というのも、ここ二年半ほど、志季さんは一人の依頼主に付きっきりになっているため、その人以外の指名は全て断らざるを得ない状況にあった。 そして今回、その依頼主に俺もしばらくの間指名を受けたため、志季さんと共に身辺警護につくことになったのだ。 「シュリさんってどんな方ですか?」 事前に確認していた資料では、彼女が凄い人だということは認識していた。 日本人だけれど世界的に活動しており、アジア人唯一のスーパーモデルだと云われるほどの知名度を誇っていて、有名なファッション誌の表紙を飾ったり数々のハイブランドの広告に起用され、海外で開催されるファッションショーにも数多く出演。 日本と世界を行き来していて、基本的にメディアに興味がない俺でも、雑誌の表紙になっているのを見掛けたりテレビで見たりすることがあった。
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