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森の外はあまりにも冷たかった。
今なら、両親が僕を外に出さなかった意味が、気持ちが、少し分かる気がしたよ。
「…本当に僕は、独りぼっちなの?」
「お前が俺を必要とする限り、俺はお前の目に見える形として存在し続ける。」
黒也は、僕の心の奥深くでずっと眠っていた。彼を目覚めさせたのは、僕の友達が欲しいと言う強い願い。
「お前は俺に、"形"をくれた。ありがとう。」
僕が願ったから、黒也は"形"として此処に居る。
家族を失い外の世界を見た。独り泣く僕に、黒也を除いては、手を差し伸べる者も声をかける者も居なくて、寂しく冷たい世界を知った。
「…うぅ、黒也、居なくならないで。お願い、僕を独りにしないでよ…。嫌いなんて嘘。ごめん、ごめん…。」
「約束だ、ずっと一緒に居る。」
黒也はマスクを外して見せた。その顔にあるヒビを見て、僕はマスクを外さない理由を知った。
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