2.青年

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闇染(やみぞめ)黒也(くろや)。気に入った!これからよろしくな、兎白(とはく)。 初めて出来た友達。それが嬉しくて、会話は盛り上がり、(にぎ)やかな夜。するとコンコンとノックが。 「坊ちゃん、何やら騒がしいようですけど。どうかしました?開けますよ?」 佐野さんだ。僕は咄嗟(とっさ)に黒也をベッドの下隠す。 「何かありましたか?」 「あ、大丈夫。今ね、本の音読してたんだ。ほらこれ!僕の好きな本!」 そう言って僕は、机の上から冒険ものの本を取ると、佐野さんに見せた。 「なるほど、そう言う事でしたか。でももう遅いので、音読は小さな声でお願いしますね。では坊ちゃんお休みなさいませ。」 「うん、気を付けるよ。お休みなさい佐野さん。」 ドアが閉まり、ホッと胸を()で下ろす。 「もう出てきていいよ、黒也。」 「何故俺を隠した?」 「だって、知らない人が部屋に居る事バレたら、何を言われるか。」 僕は黒也とトランプを始めた。 「ねぇ、黒也は外の世界知ってる?」 「いや。俺もお前と同じだから。」 「同じ?閉じ込められてた、とか?」
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