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「うわ、すっげぇ。いつにも増して手が込んでんな」
もはや関心しながら、顎に手を当て匂いの元凶を観察している。
「何これ生卵?冬でよかったなーお前。夏だとまじやばいだろこれ」
「……そういう問題じゃない」
「なんか見たことねぇ虫もいんぞ。すげぇ臭い。嫌がらせのために虫まで発注してんじゃね?さすが、オジョーサマ学校はやることちげーなぁ」
「………」
やけによく喋る。
完全に楽しんでるでしょ。
こいつ、たまに感性独特だし。
対して全然楽しくない私は、はぁ…と重たいため息を吐き出す。
それと同じタイミングで「あ」と奴が声を上げた。
何?と顔を上げた瞬間───
例の謎の異臭虫が私に向かって飛んできた。
見事な動きで私の肩に着地するそれ。
…絶句。
のち、
「〜〜っっいやああぁぁぁ…ッ!!」
大絶叫。
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