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「最高です。この横顔なんか綺麗過ぎてヤバくないですか」
「ごめん、全然分からない」
「よし、待受にしよ」
「いや、前から言ってるけど、僕のことを待受にするのはやめない?」
「嫌です」
「だったらせめて僕と珀のツーショットにするとか」
「それはもっと駄目です。画面いっぱいがキラさんじゃないと」
「…………そっか」
珀の言っていることは少しも理解出来ないけれど、それは今に始まったことじゃない。
どうせ反論したところで、珀は僕の言うことを聞きはしないのだ。
それはいつからだったかは覚えていないけど、珀は今みたいに頻繁に僕にカメラを向けてくるし、僕の顔をとにかく褒めまくる。
テレビとかでも普通に僕のことを格好いいと言うし、好きなタイプの顔立ちも僕だとはっきり宣言するほど。その質問をした人も、どうしてそこで同性の名前が出るのかと不思議そうだった。
そのせいで僕と珀はガチで付き合っているんじゃないかと言われてしまうんだけど、珀はまったく気にせずに、カメラが回っているところでも平気で僕をガン見したりくっついてきたりする。
「はい、撮りますよ」
そして今では、一歩進むごとにこうして写真タイム。
恐らく珀のスマホには、信じられないほどの枚数の僕の写真が保存されているだろう。見るのが怖いから知らないけど。
だけどなんだかんだ言って、自分の容姿についてはよく分からないけれど、珀が好きだと言ってくれることは純粋に嬉しいので、この顔で良かったとは思っている。
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