end of Melancholy

衣織珀斗という男

"kioraだー！ニニ、貴重なオフショットありがとう！"

"これ明らかにトトから嫁を奪い返したイオっていう構図よな笑"

"ヤキモチ妬きなイオ可愛い、トトどんまい"

"プライベートまで仲良しなkiora尊い"

"これはもうさ、リアルってことでいいんだよね？"

"この後怒ったイオがキラを叱るパターンですね"

「あーあ。またリアルとか言われてるじゃん」

「まーいつもあれだけくっついてたらそら言われるわな」

「にしても、みんな嫌じゃないのかね。男同士でリアルとか、そうであって欲しいみたいな感じじゃん？」

「あれだろ。女と恋人疑惑が浮上したりスキャンダルになるくらいだったら、グループ内でイチャイチャしてくれてた方がまだマシなんだろ。あと俺の女友達が言うには、BL好きにはたまらないリアルな美形カップルなんだってさ」

「美形って、キラなら分かるけど珀斗がねぇ…」

琥兄の言い分に、思わず苦い笑みが零れる。

自分の弟が美形だなんて考えたこともないし、ましてやあのキラとカップルだなんて言われていいようなレベルじゃないと思う。

だけど実際、海外の俳優やモデル達も選出されているような世界のイケメンランキングでは上位に入り、LOVIDIの中でもキラと同じくらいの人気を得る存在ではある。私は認めないけど。

「うちらにとったらただのでかい弟なのにね」

「それな。テレビの中だとオーラあるけど、家の中ではただの十八歳」

「好きな物食べる時は口の中に沢山放り込む癖とか、面倒臭がって牛乳のパックそのまま口つけて飲むとか、ぼんやりしてる時は口半開きだったりとか」

「そうそう。これがほんとにテレビに出てる人ですか？って思うわ」

「まー、出来ればこれからもそういう存在でありたいよね、うちら」

「そういう存在？」

「珀斗がなんも考えずに気を抜けられる場所でありたいよねってことさ」

「は、何？急にすげーいいこと言うじゃん」

「でしょ？私、実は弟思いなんだよ」