夢の始まり

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"Make waves Production" それは世界的アーティストを続々と輩出している大手過ぎる事務所。 ともなれば、でかいし、綺麗だし、建物そのものがやたらと芸術的だし。 こんなところにちんちくりんの俺が呼ばれたのかと思うと、既に気後れしそう。 母ちゃんと父ちゃんは基本的に能天気なので、「インスタ映えしそうね〜」「みんなに自慢したいなぁ」なんてのほほんと語っている。 まぁ、そのいつものペースのおかげでちょっとだけ緊張がほぐれたけどさ。 「おお、来たね!待ってたよ!」 受付の綺麗なお姉さんに案内されて連れてこられたのはダンススタジオ。 この部屋の作りも、今俺が通っているダンススクールとは雲泥の差だ。広くて、全面が鏡張りで、床は新品みたいにツヤツヤピカピカ。 この前声を掛けてくれた男性が近寄ってきて、早速母ちゃんと父ちゃんに頭を下げた。 彼の名前は(みき)さん。姉ちゃん曰く、過去には世界で活躍していたダンサー。 彼がダンスの振付やレッスンを手掛けているアーティストの数々の名前を聞いたら、俺でさえ知っている有名なグループばかり。更にそれは海外にも渡った。 要するに、めちゃくちゃ凄い人ってこと。
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