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しかし祥太郎は本気でしんどくなってきているらしく。
「ぎりぎりってどのくらいすか」
「っ祥太郎?!やるの?!」
「んー、じゃぁこの定規がぎり入るくらい」
にや、と笑ってどこにあったのか定規を取り出してきた悪ノリ先輩。
っいや定規って…!厚さ2.3ミリじゃん!ちょっと動けば当たるくらいじゃん!無理無理無理…!
「やるぞ真白」
「ええっ?!正気?!」
「正気。どうせ飲まないといけないならやる価値あんだろ」
「そ、そ、そ、…っ」
そうだけどぉぉぉ
私が負け過ぎるせいだけどぉぉぉ
「はい」
い、いや…はい、じゃなくて…
すでに口にポッキーを咥えて待機してる祥太郎。
本気だこいつ。まじで飲みたくないんだ…
「…うぅ…」
「早くしろよチョコ溶けんだろ」
「むりぃ…」
「じゃぁ俺がいくわ」
そう言って咥えていたポッキーをバリバリ食べた祥太郎。「うま」ともう一本食べている。
こいつのメンタルどうなってるんだ…!
「ほら食え」
「!、っちょ…」
「いくぞ」
私の口にポッキーを突っ込むと、奴は何の躊躇もなく反対側を食べ始める。
「…っ…」
思わず後ろに逃げようとすると、ガッと二の腕を掴まれた。
「ひゅーっ」と周りの酔っぱらいたちは私たちの様子をずっとにやにやしながら見ている。携帯のカメラを構えてる人までいる。
ひいいいぃ…むりぃ…っ
付き合いの長いこの男の顔がこんなに近くにあるのが気恥ずかしすぎて本当に無理。
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