限界

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証拠動画は消し去られたものの、事故とはいえキスしてしまって、家飲みの間ずっと私と祥太郎は囃し立てられていた。 居酒屋と違って時間の制限もないからみんなべろべろに酔っ払っている。 普段私はあんまり飲まされないけど、加減が分からなくなってきている先輩たちに、祥太郎と仲良し一気させられそうになると、私の分も祥太郎が飲んでくれた。 その結果… 「あれ?祥ちゃんは?」 トイレに行ったと思った祥太郎が全然戻ってこない。 心配になって様子を見に行こうとすると、それより早く美人先輩が立ち上がった。 「私見てくるー」 そう言ってなぜか嬉しそうに廊下の方に向かっていく。 先輩が行くならいいか、と座り直して、まだ全然減っていないレモンサワーの缶に口をつけた。 「祥ちゃんってさ、可愛いよねー」 「分かる。一切下心見えないから逆にそそるよね」 そんな風に話している私以外の女の子たち。 祥太郎って意外にモテるんだよな… 中学の頃からたまに告白とかされてたし。
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