再会

4/9
前へ
/97ページ
次へ
「噂以上」だの「まじで王子じゃん」だの、そんな言葉がいくつも飛び交い、ぼーっとしていた私はようやく遅れて顔を上げた。 入口に目を向けると視界に飛び込んできたその姿。 ───ドン、と胸に衝撃が走った。 一瞬の静けさの後、一気に体中の血が噴き上がる。 狂ったように、心臓の音が鳴っていた。 間違えるはずがない。 5年も経って大人びていたって。 背が伸びていたって、髪型が変わっていたって、分からないはずがなかった。 そこにいたのは、ずっとずっと、忘れることができなかった、───大好きな人。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加