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「噂以上」だの「まじで王子じゃん」だの、そんな言葉がいくつも飛び交い、ぼーっとしていた私はようやく遅れて顔を上げた。
入口に目を向けると視界に飛び込んできたその姿。
───ドン、と胸に衝撃が走った。
一瞬の静けさの後、一気に体中の血が噴き上がる。
狂ったように、心臓の音が鳴っていた。
間違えるはずがない。
5年も経って大人びていたって。
背が伸びていたって、髪型が変わっていたって、分からないはずがなかった。
そこにいたのは、ずっとずっと、忘れることができなかった、───大好きな人。
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