上書き

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…って。 そういうときに限って、いますよねー… バッタリと、座敷の靴箱のところで彼方と鉢合わせた。 目が合った彼方は、目を見開いて私を見ている。 「まし、」 「真白ー!!」 奥の席でゆんちゃんに呼ばれてそちらを向くと、ちょいちょいと手招きされている。 「こっち空いてる!おいで!」 「あ、うん…っ」 スッと彼方の横を通り過ぎて、ゆんちゃん達の元へ向かった。 た、助かった…… 彼方、話しかけようとしてた? なんでだろう… 処女なんて重たくて相手したくなかっただろうに、私が嘘ついたから怒ってるのかな。文句を言おうとしてたのかもしれない。 それか、口止めしようとしてるのかも。 私みたいなちんちくりんと噂になっても嫌だろうし… 誰にも、言わないのにな。
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