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「真白」
シン、と静まり返った。
いや正確には私たちの周りにいる数人だけだけど。
いつもはみんなの前で“雪原さん”と呼ぶ彼方が、急に私のことを名前で呼ぶものだから、みんなが驚いたように私たちを見ている。
「〜〜っ」
効果は抜群。
口をぱくぱくしながら彼方を見ても、彼は平然と私を見つめているだけ。
あっという間にまた逃げ場を失った私は、注目を浴びていることにどんどん顔が赤くなっていく。
なんで…っ何考えてるの…?!
急に名前で呼んだりしたら、変に思われるじゃん…!
「っ…ちょっと、来て」
とりあえず、何を考えているのか分からないこの男を連れ出すしかない。
大人しくついてきた彼方と一緒に、居酒屋の外へと出ることになった。
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