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中にいるみんなのところに戻ると、さっきのはなんだったのかと聞かれたけど、「からかわれただけみたい!」と笑い飛ばしたらみんなあっさり納得してくれた。
彼方の行動が、よく分からない。
考えたって分からないから結局もやもやする。
はぁ…もう何も考えたくないや…
「俺の真白を誑かすなんて…春め、なんてやつだ!」
「そうだそうだ!」
「そうだ真白、飲んで忘れるんだ!」
「はい!真白飲みます!」
「だめだ、飲め!って、え?」
てっきり私が断ると思っていたいつものアルハラ先輩。
近くにあった、おそらく梅酒ロックを飲み干すと、一気に顔に熱が上る。
「ふぁー…」
「お、おい真白大丈夫か、魂抜けてるけど…」
「あーまた先輩が真白に絡んでる」
「違う!冗談だったのに真白がっ」
「…あれ…先輩が2人に見える」
「もう酔ってるー!!」
周りのみんながぎゃーぎゃー騒いでるのがどんどん遠のいていく。
私は自分が思っている以上にお酒が飲めないらしい。
たった一杯でへろへろになって、座っていることもできなくなった。
ごろん、とその場に寝転がると床が冷たくて気持ちいい。
「ふふ」
「…何か真白笑い出したぞ」
「え、こわ」
「おーい女の子がこんなとこで寝るなー」
そんな風に体を揺すられても、眠気には敵わない。
ゆらゆらふわふわ。
何も考えられない。
みんなだからヤケ酒するんだなぁ。
だって、何も考えなくていいもんね。
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