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「お疲れさま」
ドキドキしながらコンビニを出ると、本当に外で待っていた彼方。
「あ、ありがとう…」
もじもじしながらそう言うと、彼方がそんな私を穏やかな顔で見下ろしている。
「じゃぁ行こっか」
「へ…どこに…?」
「俺の家?」
さらっと言われて、「そうだね」とそのまま流しそうになった。
すぐに非常事態に気がついて慌て始める。
「え、え、え」
「何そんなに慌ててるの」
「今日は、今日はだめっ…」
「どうして?」
ど、どうしてって…!
「っだって、急だし、心の準備できてないし、まだやっぱり恥ずかしいし、腰が治ったばっかりだし、下着も二軍のやつだしっ…!」
動揺しすぎて余計なことまで口走ってしまった。
顔を真っ赤にしている私を見て彼方がくすりと妖しく笑う。
「まだそういうことするとは一言も言ってないけど?やらしいなぁ、真白」
「っ!」
かあぁぁっと噴火しそうなくらい更に顔が赤くなった。
「ていうか腰痛かったんだ、ごめんね」と言われたけど、そんなことはもはやどうでもいい。
恥ずかしすぎて、死にたい。
見ないで、と腕で顔を隠した。
「か、帰る」
「冗談だよもう。いちいち真に受けてたら身持たないよ?」
「っやだぁ」
「何が嫌なの…ほらおいで。何か簡単なおかずも作ってあげる。さっきからお腹の音聞こえてるよ」
「いやあぁ」
幼児化している私を半ば引きずって、彼方が強制連行していった。
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