見えない首輪

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それから、彼方の行為は少しずつエスカレートしていった。 脇の下を舐めてくるなんて当たり前。 次はどんなことをしてくるか分からないから、彼方の家に行く時には絶対シャワーを済ませてからにしている。 不定期に彼の好きな時に呼び出され、バイトでもない限りすっ飛んでいく私って…もしかしてセフレの鑑…? いや、都合のいい女…? 「〜っだ、だめ!それだけはだめ!ほんとに、だめっ!」 「なんで?」 「な、なんでじゃなくて!」 「気持ちいいかもよ?やってみないと分からないじゃん」 至極真面目な顔で言ってくる彼からはどこか狂気的なものを感じる。 後ろ向いてと言われるから何かと思えば、とんでもないところに舌を這わそうとしてきて、さすがに断固拒否。 イヤイヤと頑なに首を振り、なんとか回避できたのはいいものの… 「じゃぁ真白…いつもの、できるよね?」 暗示をかけるようにそう囁かれ、落ち着く暇なんてまったくない。 舐めて、咥えて、教え込まれた通りに一生懸命奉仕する。 「っ…ぅ…」 「苦しい?」 「……ふ、ぅ…っ」 「あー、気持ちいい」 「っん…」 「……はぁ…っ出すよ」 その瞬間ガッと後頭部を押さえ込まれて身動き取れなくなる。 何度されても全然慣れない。 苦しくて、涙目になる。 「…、っ…」 「だーめ。全部飲んでね?」 逃げようとする私を恍惚とした顔で見下ろす彼。 喉を動かして必死でそれに応える。 初めてされた時「無理だよっ…」と伝えると「みんなしてるよ」と言われ、馬鹿な私は簡単にそれを信じて、彼の言う通りにする。 嫌われたくない。他の女の子と比べて、彼につまらないと思われたくない。それだけだった。
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