底なし沼

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「あ、あぁぅ…っ」 「真白、気持ちいい?」 「あっ、ぁっ…あ…っ」 「ねぇ…気持ちいいのかって」 返事をする余裕なんてないことは分かっているはずなのに、答えないでいると声を低くして威圧してくる。 ぐり、と外側の突起を痛いくらいに刺激されて悲鳴のような声が上がった。 「ああぁっっ…」 「答えて」 「は、っあ、ぁ…きもち、気持ちいっ…」 少し前までこんな快感知らなかったのに、もう嫌と言うほど躾けられている。 ガクガク足を震わせていると、彼方に腰を掴まれ体勢を保たれる。 喘ぎ声しか出せないのに、さらに私を追い詰めるように問いかけてくる彼方。 「真白は誰が好きなんだっけ?」 「あっ…あ、かなた、彼方が、すきっ…」 こういう時は“春野くん”と呼ぶと死ぬほど意地悪されるから、恐縮ながらそう呼ばせてもらう。 「俺のこと好きなんだ?」 「ん、すき、すき…っ」 「じゃぁ俺の名前呼びながらイけるよね?」 「ぁ、ぁっ……かな、た…かなたっ…!」 「もっと」 「あ、あぁっ、ぁ…かなた、かなたっ、彼方ぁっ…!」 呼ぶたびに脳を突き抜けるような快感を送り込まれる。 最後の方は叫ぶように呼んだ。 ビクビクッと身体が大きく跳ね上がり、ベッドの上に崩れ落ちる。 背中に覆い被さるように重なってきた彼方にねっとり耳を舐められてまたどうしようもなく震えた。 「よくできました」 とびきり甘い声で囁き、優しいキスをくれる。 泥沼だ。 こんなの、抜け出せるわけがない。
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