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再会
「別れよう」
頭が真っ白。
なんて、ただの比喩表現だと思っていた。
だけどこの時の私は、まさにそれで。
頭が真っ白どころか、足元から地面が崩れ落ちていったような感覚だった。
最愛の人に告げられたその言葉。
泣いて縋った。
なんでなんで、と泣き喚いた。
本当に本当に、死ぬほど好きだった。
彼もそうだと思っていた。
あれだけ愛を囁いてくれていたのに、しがみつく私を振り払って背を向けた彼。
すべてを失った気がした。
最愛、なんて中学生の分際で何言ってんだって話だけど、そう言い切れるくらい、この先この人以上に好きになれる人なんていないと本気で思った。
「もう一緒にいられない」
絞り出したような彼の声が、今でも耳にこびりついている。
いつまで経っても、何年経っても、
色褪せてくれない──
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