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「───どう?悪い女みたいだった?」
素顔を見せた瞬間、ししっと子供みたいに笑う柊花さん。
馬鹿みたいなのにどうしようもなく可愛くて、思わず優しい笑みが溢れてしまう。
「何やってるんですか」
「えー、だって。悪い女になるって約束したから」
“もし本当にそうだったら…私も同じくらい、悪い女になってあげる”
…あの時のこと、覚えてたんだ。
俺のためにそうしてくれる彼女が愛しくて仕方ないけど、それを隠してわざと素っ気ない態度を取る。
「中身が子供だから一緒です」
「えーっ」
「だいたいなんでそんなに乗り気なんですか?楽しみすぎでしょ」
「なんでも楽しまなくちゃ損だよ?」
そう言う彼女は、本当に呆れるほどポジティブだ。
初めの頃は俺と正反対の彼女が眩しくて仕方なかったけど、今では影響を受けたせいか、俺も少しだけ前向きになったような気がする。
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