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「え、今日泊まるのって2人だよね?」
「当たり前でしょ」
「だって広すぎるんだもーん」
いわゆる超高級ホテルのスイートルーム。
いつものマンションの部屋もすごく豪華だけど、こっちも負けてない。
広い空間で両手を広げてくるくる回り、ボスっとベッドに仰向けで倒れ込んだ。
呆れたように私を見下ろしている愁。
今日はお洒落なグレーのスーツを着ていて、スタイルのいい彼に本当によく似合う。
ちょいちょいと手招きして、こっちに来てくれた彼のその手を引っ張ると、焦ったように私の顔の横に手がつかれた。
「っちょ…」
「どうしよう…すごく浮かれています」
ほぅ…と感嘆の息を漏らす。
マンションで会うだけでも十分だけど、やっぱりたまには外でこうやって会えるのは嬉しい。
時間が止まればいいのに…なんて思っている私に気がついているのか、愁が私の髪のセットを崩さないように頭を撫でた。
「…俺もですよ」
ドレス、似合ってます。と耳元でお褒めの言葉をいただき、顔が赤くなる。
Aラインのフレアの赤ドレス。肩にフリルが付いていて、可愛いけど大人っぽさもある。
「派手すぎないかな…?」
「綺麗です。…ちょっと肩出すぎですけど」
そう言って露わになっている肩をするっと撫でて、口付けられる。
その感触にぶるりと震えてしまい、愁がそこに唇をつけたまま私を見上げた。
「ん…愁…」
キスしたくなってその瞳を見つめ返すと、愁が控えめに私の頬に唇をあてる。
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