回ってきたツキ

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「…亮平くんと全然違ったな…」 「………は?」 顔を手で覆ったまま呟くと、頭上から地を這うような低い声が聞こえた。 びくっとして恐る恐る手を退かせると、もうタバコは吸い終わっていたのか、こめかみに青筋を立てている理希。 「今なんつった?」 「…何も言ってません」 「お前あいつとキスしたの?」 「…違うんです。あれはその、つい流されて…ノーカンにしてください」 びくびく手で顔を隠しながら言うと、ちっと思いっきり舌打ちされた。 ひいいぃぃぃぃ 「…で?」 「…はい…」 「舌入れられたとか言わねぇよな」 「………」 「殺す」 「いやああぁぁぁあごめんんんん」 がぶっと結構な力で首に噛み付かれて、本気で痛かった。 その後理希はしばらく口をきいてくれなかったけど、「亮平くんにされたときは嫌だった」「理希は気持ちよかった」「大好き」「許して」と何度も言うとなんとか許してくれた。
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