回ってきたツキ

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「…こんなにエロいのは想定外」 「っえ、えろ…っ?!」 「お前本当に処女?」 「……はい…残念ながら」 「残念ってなんだよ」 「全部慣れてないから…なんか変だったらごめん…」 しゅん、としながら小さい声で言うと理希が顔を上げる。 「別に何も変じゃねぇよ」 「…本当…?」 「それに、全部俺が教えるし」 ふー、と謎に長い息を吐いて復活したらしい理希がまたズイ、と詰め寄って来る。 「とりあえず合間でちゃんと息しろよ」 「…合間なんてなかったじゃん…」 「あっただろ。かなり手加減してるわ」  「ええ…っ」 あれで手加減とか…本気出されたらもう死ぬ… そうこうしている間にまたキスが降ってきて、肩に力が入る。 思わず顎が引けていると理希にグッと上を向かされ唇をこじ開けられた。 「〜〜っん」 「…息」  「…んぅ…んっ」 「芽衣」 「っ…はぁ…」 唾液を流し込まれるような少し強引なキス。 舌が絡んで、吸われて、とろっと口端からこぼれ落ちた。 恥ずかしいのに、気持ちよくて、トロンと溶けてしまう。 経験がなくても分かる。理希はすごくキスが上手い。慣れててむかつくのに、こんなに大事そうに触れられると、そんなことはどうでもよくなってしまう。 「ん…りき…っ」 「………」 「…はぁ…っね、りき…」 「…なんだよもう」 「…んっ…唾液は…どうしたらいいですか…」 「…お前…そんなこと聞くやついねぇよ」 「だって…」 「知らねぇよ。飲め、じゃぁ」 「ん…」 ごっくん、と2人分のそれを喉を動かして飲み込んだ。口も拭わず涙目で理希を見上げる。 その様子を見ていた理希が、なぜか固まって喉を動かした。 「…不覚にも違う想像したわ」 「…?」 「…はぁ、やばい。今日の講義は終了です」 「あ、はい」 大学の教授みたいなことを言った理希は、またふぅ、と自分を落ち着かせるような息をついて、最後に私のおでこにちゅっとキスをして離れた。 そのままテーブルに置いてあったタバコとライターを手に取り、ベランダに出て行く。 理希の姿が見えなくなってから、私はへなへなとソファに倒れてまだ熱を持つ顔を両手で覆った。 恥ずかしすぎた… でもふわふわして、心地よくて、もっとして欲しくて。どろどろに甘やかされたかった。 こういうのの先に、私はまだ経験してない恋人たちの行為があるのかな… 私を見る理希の甘い瞳を思い出すだけでまた顔から湯気が出そうになった。
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