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「え、えっと、」
…私から、なのかな?
理希には「付き合う?」とは言われたけど、好きとは言われてない。
後から私のこと好きってこと?と聞いたら、そうだよと言われただけ。
これってやっぱり、告白したのは私…になるんだろうか…
よく分からなくてチラっと理希を見ると、すでに酔ってる翔也くんに絡まれていて目は合わなかった。
「私…だと思う…」
「え、そうなんですかぁー?!なんだぁ、やっぱり好きだったんじゃないですか、もぉ〜」
「い、いや本当に最近気づいたというか…」
「遅すぎますよ、もぉ〜」
もぉ〜と連発する千紗ちゃんは、結構お酒が入ってる様子。
まぁだいたいの人がテストを終えて明日から冬休みだし、今日は忘年会みたいなものだもんね。浮かれちゃうよね。
「ちなみに、どういうところが好きなんですかー?」
「えっ」
「あ、それ私も気になるー」
「私もー。何年も幼馴染みしてて、今付き合うことになった決定打って何なの?」
同期の女の子たちも話に参加して、注目を浴びる。なんだか恥ずかしくなってきて顔が赤くなった。
…理希の好きなところ。
「……私のこと、1番理解してくれるところ…」
大して面白味のない私の返答に、キャーッ!と盛り上がってくれる女子一同。
そんな反応してくれると思わなかった…
「たしかに!めっちゃ大事にされてますよね〜っ。しかもいつも阿吽の呼吸というか。何してほしいかお互い分かってるって感じ」
「そ、そうかな」
「他には?!」
「え、他には…」
理希の様子を窺う。聞かれてたら恥ずかしいけど、こっち見てないし、いっか。
「…なんだかんだ優しいところ」
「分かる!普段素っ気ないけどさ〜理希くんって結局優しいよね。はい、もう一声っ」
「っえ…えと、いつも助けてくれるところ、包容力があるところ、たまに子供みたいに笑うところ、適当で楽なところ」
「めっちゃ出てくる」
あれ、私思ってたより理希の好きなところってたくさんあったんだな。人に聞かれて初めて気が付いた。
「……あと声も好き。黒髪も好き。…顔も好き」
匂いが好き、っていうのはさすがに変態っぽいかと思って言えなかった。
自分で言いながら照れてしまって、さらに真っ赤になった私を見て女の子たちが「全部じゃん〜!」とキャーキャー騒いだ。
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