もう一度、私を呼んで。【完】

後悔

それから火曜日水曜日と出勤して、慣れない仕事をなんとかこなし、本日木曜日はお休み。

基本的に土日はお休みで、一週間のうち平日にもどこかでお休みがある。　

今日は3日ぶりにルイさんと1日一緒にいられると思ってウキウキしていた。　

だけど昨日夜遅くに大きな仕事が入ったらしいルイさんはずっとモニターの前で忙しそうにしていて、寝たのか寝てないのか分からない様子で朝からずっと作業していた。

食べられるか分からないけど、サンドイッチと淹れたてのコーヒーをデスクの邪魔にならない場所にそっと置いておく。

携帯が鳴って、ルイさんはしばらく仕事の話をしていた。

「まだそこまで裏取れてない。ていうかこいつ、テレビでよく見る顔だけど。また面倒なことやってんね」

これ以上聞いているとまたおそろしいことを知ってしまいそうで、慌てて台所に行って冷蔵庫を開けた。

…食材が全然ない。

スーパーに買い出しに行こうと鞄に携帯と財布だけ放り込む。

ルイさんは相変わらず電話で難しい話をしていて、邪魔したくないし、すぐに戻ってくるので何も言わずに家を出た。

マンションの周りは少し歩けば割となんでもあって、生活するにあたってすごく便利だった。

すぐにスーパーに着いて、何日か分の献立を考える。

地下で私を閉じ込めていた男たちに攫われそうになったあの日から、必要以上に外に出るなとルイさんに言われているから、できるだけまとめ買いするようにしている。

葉月さんは全員捕まえたから何も心配しなくていいと言ってくれたけど…

また迷惑かけたくないし、できるだけささっと用事を済ませて帰るようになった。