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分からない
「祭り?」
結がコントローラーを手にテレビ画面を見ながら、聞き返す。
バイト終わりに我儘行って来てくれた結が、私が倒せないボスのHPをどんどん削っていく。
「一緒に行こうよー」
翠ちゃんいないし…と言い訳を付け加えて、内心ドキドキしながら誘った。
別にお祭りにすごく行きたい訳ではなくて、結と一緒に行きたいだけ。
「今週末だっけ?」
「うん」
「いいよ、バイトないし」
「やった!」
ぱあっと目が輝く。結とお祭り行ける!
いつも結はバイトが入ってて、大学生になってからは一度も一緒に行ったことがなかった。
「とりあえずイカ焼きでしょー、あと牛串とー、リンゴ飴とー、」
「1番最初がイカ焼きかよ」
「あとわたあめとー」
「食い意地張ってるとこ悪いけど、なんかすげー大事そうなイベント入ってるぞ」
「え」
私がはしゃいでいる間に、結がボスを倒していたらしく、ゲームはとっくにイベントに切り替わっていた。
「え、なに、どうなったの?!」
「さぁ」
「倒したなら早く言ってよ!!」
「画面見てたんじゃなかったの?」
お祭りで頭がいっぱいで見てませんでした。
「もおおぉぉ」
「知らねーよ」
「まぁいいや。あとでサイトで調べる」
「切り替え早いな」
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