新たな神話の予感

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新たな神話の予感

 教会が主催するイベントの当日となった。 「やっぱりこうなるよね……」  私は朝からぐったりだ。  町は数日前から通常の倍以上の観光客であふれていた。  大教会の司祭様(サファイアのお父さん)と仲が良いウチの両親は 「教会を応援するぞ!」  って盛り上がっちゃって、イベントを応援する宿泊の特別プランまで打ち出す始末。  おかげで宿屋(ウチ)も大忙し。  やっと休憩を取れたのは、もう三時を回る頃だった。 「アンバー、行くぞ。支度せい」 「え、ええ~……おばあちゃん、私クタクタなんだけど……」  ベッドで横になっていた私を、祖母が引っ張り上げる。どこにそんな力があるんだろう。私の年齢×七倍くらいの年だよね!?  祖母は朝早くから教会の展示一つ一つを見て回ったらしい。  あとはサファイアのいる大教会だけだ。  私と一緒に行くために残しておいたらしいけど、うーん、サフには申し訳ないけど休んでいたい。 「何言うか! サファイアにも行くと言ったじゃろう! 約束は守れ!」 「んもー……分かったよ、行けばいいんでしょ、行けば」 「態度がなっとらん!」
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