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 部屋の中を見渡すが、誰もいない。  念の為に引き返して、トイレと浴室の中も確認した。  誰もいないことと、玄関に鍵をかけたこととを確認して、もう一度部屋の中に戻る。  さっきは気がつかなかったが、部屋の真ん中にある机の上で、ご飯が湯気を立てていた。  ハンバーグーー私の大好物だ。  …ぐうぅ  お腹がなった。  思わず、置いてあった箸に手を伸ばす。  チーズがのったハンバーグを箸で切る。肉汁があふれた。  もちろん、これがどこから現れたのかという疑問は頭の片隅にあった。それでも、誘惑に抗うことが出来ずに口に運ぶ。  じゅわーー肉汁が口の中に広がる。追いかけるようにして、一緒に並べてあったご飯を口に入れる。……美味しい。  ほかに用意されていた、サラダや味噌汁なども次々に口に運び、あっという間に完食してしまった。  久しぶりに食べた、誰かが作ってくれたことが感じられる温かい食事は、私の胸を温かくした。
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