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「わかってんの?自分で男家に上げてるの」
そう言いながら手首を掴まれて、びっくりして先輩の方を向くと、噛み付くようなキスをされる。
何が起こったか分からなくて、こういう時どうするのが正解?
初めてのキスに驚いたものの、どうせ今後こんな機会ないだろうから慣れてる人に初めてを奪われるのも…なんて考える。
舌が絡み合う激しいキスを交わして、息が上がってる私を、何を考えているか分からない目で見つめてくる。
この人は、好きじゃなくたって多分誰でも抱ける人。
今まで抱いてきた人の1人になるくらい、どうって事ない。
「女の子家に送って上がり込んで、こんなことして。こういうのなんて言うか知ってる?」
「分からない」
「送りオオカミって言うらしいから、気をつけなね。特に、俺以外の男に」
「先輩も危険人物です。」
「確かにね、でも、今更やめれないでしょ?」
そう言って、そのままベッドに押し倒される。
男の人の力に勝てないことなんて、馬鹿な私でも知ってる。
「…初めてだよね、男いなかったってことは」
「はい、言っときますけど、面倒ですよ。女の子の初めて奪うと」
「何それ、経験ない癖に。」
可笑しそうに笑って、先程とは違う包み込む様な優しいキスをする。
この人の事、好きになっちゃいけない。
週明けの仕事からは、きちんと後輩として戻ろう。
そう心に決めて、今だけは溺れていくのを感じて先輩の背中に腕を回した。
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