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次の日の朝、目を覚ますと体の気だるさを感じる。
それとは別に、感じる他の人の体温。
腕の中に閉じ込められていたらしく、目の前に先輩の綺麗な顔が映っている。
そっか、昨日…。
動くと起こしてしまうかな。
そもそも起きたらなんて言えば。
そんなことをうだうだと考えていると、先輩の目がうっすら開いていく。
「ん…、おはよ。」
慣れているからか、私の顔を見ても動揺する様子もなくにこやかな笑顔で朝の挨拶をしてくる。
「おはようございます。」
腕の中から抜け出そうとすると、ぐっと閉じ込められた。
「え」
「休みだし、まだ良くない?くっついてたい。」
まるで恋人みたいな擽ったさに、私は身を委ねるだけ。
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