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「花梨ちゃん、今日飲みに行かない?」
「…?」
突然の提案に思わず首を傾げる。
へらっとゆるい笑顔を見せている黒瀬先輩。
「あの、それは仕事でしょうか」
「まさか、プライベートだよ。たまには指導係との関係深めるのと、花梨ちゃんの歓迎会。2人きりだけどどう?」
これは、行くべきなのか?
指導係との関係を深めると言われると、今後仕事が円滑に進むようにするためには、行くべきなのでは?と思ってしまう。
でも、プライベートで?黒瀬先輩と?
「いや、あの気軽に行く行かないで考えてくれていいんだけど」
「そういう訳には行きません、帰りまで保留でもいいですか?」
私の返事に黒瀬先輩は苦笑いして「了解」と返してくれる。
仕事への向き合い方とか、参考にしたいことは山ほどあるし、仕事中ではそういうのも聞けないのでお酒の場で聞くのはありでは?
この会社では歓迎会などないって聞くし、それを開いてくれるって言う先輩の顔立てにもなれば。
後輩を育成して可愛がる先輩と思われれば心象は間違いなく良さそう。
黒瀬先輩の事は苦手だったけど脳内ではこの考えに至り、その日の飲みに私は応じることにした。
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