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よう。君らは元気にやっているのかい? それは良かった。
ワープロソフトを立ち上げるのに、かれこれ十日もかかっちまった。おれも案外、薄情じゃなかったらしいな。
こういうときは、ええっと、自己紹介がセオリーなのかな。もういささか古いカンジなのか? まあいいや。おれの名は雨槌玻澄。どこまでもカッコ良い名前だぜ。
……身体がフラつく。アイツらの元から逃げ帰ってきてずっと、吐き気とフラつきが消えやしねえ。最愛にして唯一の肉親の弟がいなくなったからでも、きっとねえんだろうなあ。
なあ。
これを聞いている皆に、ひとつ頼みがあるんだ。
全部これをきっちり聞けとか、そういう贅沢は言わねえさ。お手元のスマホをちょちょいとほんの数回タップすれば、マンガアプリでも動画サイトでも、世の中の娯楽は腐るほどあるんだし。
ただ頼む、……広めてくれないか。この動画の存在を。
目的? それこそ、最後の方までのお楽しみだ。引っぱって悪いが、まあ聞いちゃってくれ。
……少しむせた。大丈夫か今の咳? なんかこう……BPOだっけ? 的な奴に引っかからない? テレビだっけそれ?
とにかくこんな風にして、おれの寿命はもう長くない。見た目だけなら完全な健康優良児のおれが、どうしてそんなに命を縮めちまったのか。それも、今からおれのする話のなかで、大方は分かってもらえると思う。
それじゃ始めるか。
話を。
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