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「そうかぁ」なんとも頼りない返答である。気も利いてないし自分の経験値の無さが浮き彫りになる感じ。  それでも話してくれた冬華の手前、曖昧な態度ではいられない。 「心配することないと思う。彼、本当に冬華のことが大好きって感じだったよ。ほら、私あの時2人で話したじゃない? いつか義弟なるかもねって盛り上がったの」  あれは冬華が友達と通話中の出来事だ。確かにそんな話をした。総輔が冬華を大事にしてるのも本当、嘘じゃない。 「だから、大丈夫だよ」  冬華が不安になっているのは、友達が浮気された話を聞いたせいもあるのかもしれない。  良くも悪くも周囲の影響を受けやすい部分があるから、きっとそう。  完成された顔で「そうだよね」と微笑んだ冬華は、テーブルの上に散らばったメイク道具を手早く片付けた。立ち上がった後には吹きかけた香水がふんわり香る。 「お姉ちゃんありがとう。私が少し、そうちゃんを好きすぎるのかも。そんな人に出会えただけで幸せだよね」  そろそろ行くね、と。いつもの笑顔に戻った冬華がベージュのコートを羽織った。 「今日は雪が降るって、風も強いみたいだし、気をつけてね」 「うん、大丈夫。ありがとう」
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