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──総輔との出会いは、数年前に遡る。
当時両親を亡くしたばかりの私は酷く塞ぎ込んでしまった時期があった。
何をするにも気力が湧かず、ただ息をしているだけの私にそっと寄り添ってくれたのが大学の同期だった彼だ。
総輔といると居心地が良かった。
泣いてばかりいた私を連れ出し、少しでも楽しく過ごせるように色々と工夫してくれる彼を見ていると心が癒やされていく……そんな日々も確かにあった。
だけど付き合って3ヶ月も経った頃、事件は起こる。
あれは私が友達と飲みに行った日の帰り、数時間LINEの返事をしていなかった時のこと。
飲み会とだけ伝え場所も教えていなかったのに居酒屋の前まで迎えに来た総輔──彼は私のスマホで勝手にGPSアプリをインストールして監視していたのだ。
友達といえど同性だし、それは知っていたはずなのに信用されていなかったようで悲しかった私は、そのまま別れを告げ彼の前から姿を消した。
その頃ちょうど冬華と2人、実家で暮らすことが決まったばかりだったので一人暮らしの家を引き払い総輔とはそれで終わったはずだった。
──それが今、何故か目の前にいる。
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