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「すげぇ濡れてんね」
「言わないで」
「いつもこんな?」
「違う」
「今日だけ?」
「……うん」
言いたくないのに、感じている事実が恥ずかしくて結果的に素直に答えてしまう。
そんなあたしに東郷は興奮が増したようだった。
激しめにキスをされて息が乱れる。
勢いが凄い。
若い時ってこんな感じだったっけ。
何分、1人しか知らないから比べられない。
いつもの穏やかなアレしか……。
あまりの展開の早さと、じわじわ与えられる刺激に翻弄されて暫く呆然。
しかし、ベルトを外す音が聞こえて我に返る。
「待って」
「何?」
「えーっと……、あたしもしてあげる」
「いいよ。しなくて」
「でも……」
「もう我慢出来ないから」
軽く抵抗したあたしに東郷はちょっと困ったような顔で声もなく笑った。
宥めるようなキスが落ちてきて「後でもう1回しよ」なんて強請るような誘いを口に出され、何も言えずに黙る。
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