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あぁ、そうだ。我慢出来ないって言ってたっけ…。と、奥まで押し込まれながら頭の片隅で思う。
味わうように体を揺さぶっておきながら、好きな女でも抱くようにぎゅっとあたしを抱き締めて。
じわじわ心まで侵略されていくみたい。
もう言い逃れ出来ないや。
真っ白だった10年は既にただの過去になってしまった。
紛れ込んだ黒い靄が白い心に混ざって灰色に染まっていくかのよう。
でも、奪ってくれて良かった。
自分じゃきっと足を進められなかった。
そう思うのに心が苦しい。
普通に気持ち良くてショックだ。
愛情なんか無くとも返ってくるモノは同じ。
中身が詰まっていなくたって、そこから得るモノは何1つ変わらない。
「……ん、やだ、やめて」
「なんで拒否ってんの。ヤメたって事実は変わんないのに」
「でも…」
「もう黙っててあげるからさ、素直に感じちゃえば?俺しか見てないんだし」
「……、」
「すげぇ気持ち良さそうだよ、中」
楽しんでいるんだか、素でやっているんだか、誘い込むように言われて困惑する。
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