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「うぅ…、もー…、嫌っ…、気持ちいい…っ」
「気持ちいい?」
「気持ちいいから、無理っ…、お願い、気持ちいいから…っ、ヤメて、許してっ、…っ」
止まらない快感の渦に飲まれて思わず本音を口走る。
肩で息をしながら涙まで滲ませて本気で抵抗。
押し寄せてくる快感から逃れたくて必死。
恥ずかしさとか全部飛んだ。
罪悪感とか葛藤とか持っているモノ全て。
何もかも。
とにかく逃れたい一心。
ゾクゾクしちゃって、ヤメて欲しいんだか、して欲しいんだか、自分でもよく分からない。
分からなくなるくらい翻弄されているんだから、素直に口に出して言ってしまったのも仕方のないことだったと思う。
「可愛い…、楓さん」
そんなあたしに東郷は甘ったるいキスをした。
心を乱すような優しい視線をあたしに向けて。
指を絡め取るように手を繋ぎながら。
「でも、ダメ。もっと気持ち良くなって」
と妖艶な微笑を浮かべて呟いた。
振り回されちゃって、もうどっちが年上だか分かんない。
まぁ、何だかんだ言いつつも少し穏やかな動きに変えてくれたところを見ると、根は優しいのかなと思う。
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