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「ねぇ、楓さん。俺の顔と名前。ちゃんと覚えてくれた?」
「当たり前でしょ」
「ココを出ても忘れない?」
「忘れないよ」
寂しいのか何なのか肩にオデコを乗せられて甘えられる。
お腹に腕を回されて痛いくらいに、もう殆ほとんど羽交い締め状態。
ヤッたら情みたいなものでも出ちゃったんだろうか。
まぁ、あたしも同じだ……なんて能天気に考えてたけど、全然違った。本当に違った。
「本当に?」
「ホント」
「でもなー。今まで何回も話し掛けに行ってたのに全然覚えてくれてなかったしなー。心配」
「……え?」
「まぁ、おかげで繋がりが持てたからラッキーだったけど」
何それ?耳元で聞き捨てならない台詞をペラペラと話されて時が止まる。
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