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スタイリッシュでオシャレな彼氏の家の中。
あれから2日過ぎた休日の夜。
キッチンで洗い物をしていたら唐突に指で項を撫でられた。
ご飯とか食べて気が緩んでいた後。突然振り落とされた疑いの言葉にドキッと胸が音を立てる。
驚きすぎて手に持っていたお皿が落ちそうになった。焦りからか蛇口から流れる水の音がやけに煩く耳に響く。
「この間したときに付けたんでしょ」
「1週間前のにしては濃くね?」
「知らないよー。聖也君以外に誰が付けるの」
「まぁ…、そうだけど」
「知らないうちに付いちゃったんじゃない?」
蛇口を閉め、疑いまくりの聖也君に微笑みを向ける。
やばい、やばい、やばい。内心、気が気じゃない。笑顔の裏は大悶絶だ。
付けたのは間違いなく東郷。
あれから“バラす”って言葉を武器に明け方近くまであたしを抱いてたから、多分その時にでも付けたんだろう。
東郷ったら、いったい何を考えているんだか……。こんな自分じゃ気付かない且つバレやすい場所にキスマークを付けるなんて。殆ど確信犯だ。
こういうのって普通、相手も隠したがるモノかと思ってた。
まぁ、バレてマズイのはあたしだけだから東郷には関係ないのかも知れないけど。
本当にもう。何から何まで焦らせてくれる。
生徒をホテルに誘ってヤッて痕まで付けられてると思ったらやばい。
我ながら頭が痛い状況だ。浮気の相手を生徒にさせてしまったなんて。
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