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もしかして聖也君もそうなのかな。
そう思ったら憂鬱だ。
他の女と頭がおかしくなって気持ち良くなってたと思ったら胸が苦しい。
吐きそう。嫌悪感しか持てない。持てないのに。気持ち悪い性のそれに余裕で打ち勝つ好きな気持ちが心底憎い。
消えて無くなればいいのに、こんな感情。
要らないのに。
「楓」
いつもの定位置のソファの前に座って、聖也君の隣。後頭部に手を添えられて唇を塞がれる。
あぁ、もう好きだな……って幸せな気持ちになって、それと同時に黒い感情が付き纏う。
他の女にもいっぱいしたのかな、でも自分もしたし…ってゴチャゴチャ。
本当は今日会ったら“他の男と寝た”ってバラす予定だった。
その為に日にちも合わせたし、相手も探した。
バラして全てチャラになるはずだった。
なるかは分からないけど、きっと。
ただもう無理そうだ。相手は生徒だし、少し事情が変わる。
何だか脅されちゃってるし。簡単に終わる話でもなさそう。本当にバラされたらマズイし、一環の終わり。
先が見えない以上、軽々しく口には出せない。
そこを綺麗に終わらせてからじゃないと、こっちの話も先に進めないから。
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