2人が本棚に入れています
本棚に追加
東郷もそう。
ただ、それは以前までの話。
やっぱり今は誰よりも目に映る。
本当に共犯者の気分だ。
バレやしないかとヒヤヒヤしている反面、何か特別な親近感みたいなモノもある。
そんなの持ってちゃ教師としてはダメなんだろうけど、あの日は本当に追い詰められた気分だったから。
やっぱり救われた気持ちが強い。
「先生って真面目か不真面目か分かんないよね」
「何言ってんの。あたしは真面目よ」
「でも、時々すげぇ不真面目じゃん」
次のポスターを張ってたら東郷がクスクス笑いながら言った。
楽しそうに笑っちゃって何か思い出でもあるみたい。
そりゃまぁ、東郷との関係を考えると不真面目だけど、普段は真面目なはず。
それも学校じゃ2割増し。
なんせ、平凡な人間だし。
「なんでそう思うの?」
「だって停学を免れさせて貰ったことがあるし」
「そんなのあった?」
「あったよ。兄貴から預かっていた煙草を鞄から落として。先生に庇って貰った」
「あぁ、あれね…。君だったの」
説明するように話されて思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!