ホテル

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「別に相手してもいいけど。素性も知らない俺と寝て後悔しない?」 「しない」 「そっか。分かった。いいよ。お姉さん、わりと俺の好みだし」 「いいの?」 「うん。それにチャンスは逃さない主義だから。俺」 綿菓子みたいな甘い笑顔を振り撒いて青年はあたしの手を掴んだ。 思ってたよりノリ気で手を引かれ、少し困惑しつつも愛想の良い笑みを青年に向ける。 何かちょっと力が強い。 しかもチャンスは逃さない主義? 何それ? 結構慣れてる? まぁ、この際、何だっていいや。 とにかく、もう。 全部塗り潰してしまいたい。 そう思う一心で、出会ったばかりの青年に手を引かれて近場のホテルに入っていく。
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