90人が本棚に入れています
本棚に追加
それにもまして彼は国王に似たらしい残念な下半身を持っていた。
だからまたの名を女泣かせの王子とか残念な王子とかの呼び名もある。
学園に通い始めると高位貴族の友人たちと遊び歩き、群がる女生徒と好き放題の付き合いを繰り広げたという伝説も聞いた。
そのせいでこれまでどれほど私が嫌な思いや関係を持った女性からの嫌がらせを受けて来たか…
だから私はアルフォン殿下を極力避けているしお茶会などもふたりきりになることはないようにしている。
だからまだ口づけさえ許してはいない。
いや、彼は義務のように近づいて来るが私が拒否している。
女性にはお困りではないでしょうと言って。
結婚はするけど白い結婚でもいいと思っている。
子供はいなくても王族の跡取りには困らないし彼も子煩悩にはとても見えないからである。
こちらから婚約破棄できない以上もう諦めるしかないのだから…
「はい、何でしょうか?」
王宮の廊下でそう言われてやっと渋々返事をする。
「取りあえず部屋に入ってくれ」
「はい、では、リルも一緒に入ってちょうだい」
最初のコメントを投稿しよう!