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……前に言ったことを、覚えてる?
貴方は襟足をすっきりさせておくことが好きだから。
僕は貴方の首筋が好きだから。
『わざと僕に見せてくれてるの?』
……と、からかうと、貴方はすごく嫌がったね。
首まで真っ赤に染めながら。
でも今もまだ、同じ髪型にしているって言うことは、
……まだ、僕を誘ってくれているの?
僕は木から背を離し、彼のすぐ背後に立つと──僕より少し背が低い、貴方の耳にそっと唇を寄せた。
『ただいま』と囁いて、ついでにいたずら心で、息をフッと吹きかけてみる。
貴方はビクッと振り返り、耳を押さえてキョロキョロと周りを見回す。僕は思わず笑ってしまった。
きっと風が吹いただけだと思ってるだろうに、やっぱり首まで真っ赤に染めて──。
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